スサノオの娘婿となったオオクニヌシは出雲地方を平定した後に、各地に勢力を伸ばしていきます。その先々で恋物語を残すなど、恋多き神であったと伝わっています。
そんな大国主の国の反映が、高天原(天上)の神に目をつけられ国譲り(侵略)の物語へと繋がります。
これ以前の物語は、以下からご覧になって下さい。
- <パズドラ>パズドラモンスターで学ぶ古事記 日本の誕生編
- <パズドラ>パズドラモンスターで学ぶ古事記2 天岩戸に隠れるアマテラス
- <パズドラ>パズドラモンスターで学ぶ古事記3 ヤマタノオロチ伝説
- <パズドラ>パズドラモンスターで学ぶ古事記4 オオクニヌシと因幡の白兎
高天原(天上)の神による一方的な要求
オオクニヌシの国造りがすすむと、それを見ていた高天原(天上)の神(アマテラス)は、葦原中国(あしはらのなかつくに=地上=日本)は、自分の子孫が治めるべきと宣言します。
そして自分の息子アメノオシホミミを地上に送ろうとしますが、地上を見下ろしたアメノオシホミミは、神々が暴れているのを見て引き返してしまいます。
そこでアマテラスは複数の神(部下)を交渉の使者として送るのですが、オオクニヌシの懐柔でことごとく失敗してしまいます。
業を煮やしたアマテラスはついに武力による制圧を目指し、
タケミカズチなど力の強い神を派遣します。
オオクニヌシと会談したタケミカズチは国を譲るように迫ります。
オオクニヌシは、息子ヤヘコトシロヌシに計りますが致し方無いと承諾。しかし、オオクニヌシの御子の一人
タケミナカタは、一方的な要求に異を唱え、タケミカズチに力比べを挑むのですが、力の差は歴然としており、敗れたタケミナカタは信濃(現在の長野県)の諏訪湖近くまで逃げて降伏し、何とか許されます。
出雲大社が出来た訳
オオクニヌシは国を譲る際にある条件を出します。
自分の社となる神の御殿のような建物をつくることを条件にアマテラスの子孫に仕える事を約束しました。
それによって造営されたのが現在の出雲大社(島根県)と言われています。
最近の調査で巨大な柱の跡がみつかり、当時の社は50メートル近い高さがあったそうです。
しかし、実際に当時これほど巨大な建造物を(敗者である)オオクニヌシのために造ったのかというと疑問が残ります。
現在では、大国主の死後に何らかの理由で(出雲)オオクニヌシを恐れて、(祟(
たたり)をおさえる)祀るために建てられたという説が有力だそうです。
つまり、オオクニヌシの国譲りは天皇家の子孫が九州から勢力を伸ばすために出雲へ侵略した歴史を神話の形で残し、オオクニヌシの祟を恐れ、それを収めるために古事記への記述がなされたという事ではないでしょうか。
こうやって地ならし?が済んだ後にアマテラスの孫が地上を治めるために天上界から外界に降臨する天孫降臨の神話がはじまります。