科学の力を使って料理を美味しくする「科学的調理法」
水島弘史シェフが提唱する今までの常識を打ち破るその料理法が話題になっています。
その中でも、有名な「肉汁を肉の中に徹底的に閉じ込めたハンバーグ」のレシピと作って食べてみた感想をまとめます。
全く逆な肉汁が切った瞬間に溢れ出る「ミート矢澤」のハンバーグレシピはこちらです
違いを楽しむのも良いかもしれませんね。
科学料理のポイント
旨味を閉じ込める
- 肉汁が溢れ出る=旨味が逃げている
旨味を閉じ込めながら玉ねぎを切る
玉ねぎは包丁を前後にスライドをさせて切る
玉ねぎの細胞を押しつぶさずに硫化アリルと水分を外に逃さない
硫化アリルは玉ねぎを切る時に涙がでる原因物質。
包丁のスイートスポット=刃の真ん中より前をつかい、30度くらいの角度をつけてスライドさせながら切る。こうすることにより無駄な力が伝わらず細胞を潰さずに切ることができる。
科学的な肉の味付けのポイントは塩分量
人間は材料に対して、塩が入らないと絶対美味しとは感じないらしい。
その適切な塩分量とは、素材の総重量に対して0.8%
ハンバーグの材料となる挽肉の場合、ひき肉120グラムに対して約1グラム。
120g×0.008=0.96・・・約1g
何故0.8%が美味しく感じるのか?
人間の体内の塩分濃度は、体内の水分にたいして0.8~0.9%と言われており、同じような塩分濃度が本能的に美味しいと脳が感じる
科学的な肉のこねかたで肉汁を閉じ込める
手で肉をこねる、中の空気を抜くのはどちらもNG
肉と肉がくっつく=結着させるのが科学的な肉のこね方
手で肉をこねると、体温で肉に火が入ってします。わずか30度程度の温度でも肉が結着しにくくなる。
手でこねるのではなく、すりこぎ棒を使う
すりこぎ棒を使い、上から叩くように肉を結着させていく。
すりこぎ棒がボウルを持ち上げるような感じになればもうOK。
低温調理で肉を焼く
冷たいフライパンから最後まで弱火で焼く
冷たいフライパンに油を敷き、ハンバーグのパティを入れる。この際にくぼみをつける必要はない。
何故弱火で焼くのか?
肉の中のタンパク質は急激に温度を上げると、激しく縮んで水分をと一緒にアミノ酸などの旨味成分もでてしまう。
弱火で焼くとゆっくりと加熱されるため、水分も旨味成分も閉じ込めることができる。
肉を焼く時に出てきた脂は、肉のアク!
旨味も入っているが、臭みの方が多い。
最初に引いた油は肉の脂をとるためなので、フライパンに残った油はキッチンペーパーで拭き取る。
科学的調理法で作るハンバーグのレシピ
材料(1人前)
- 挽肉・・・120g 下味として1gの塩をふる
- 玉ねぎ 40g
- パン粉 5g
- 塩 0.5
- 溶き卵 10g
- 牛乳 10g
- 好みでナツメグ、コショウなど
- 下味をした挽肉をボウルに入れ、すりこぎ棒で肉を結着させる
- 玉ねぎ、パン粉、塩、溶き卵、牛乳、ナツメグ、胡椒をボウルに入れて軽く手で混ぜる(混ぜすぎない)
- 冷たいフライパンに多めのサラダ油を引き、ハンバーグを入れてから火をつける(弱火)
- ハンバーグの下半分程度が白くなったら裏返す
- 表面がふっくらして、汗をかいたようになったら焼き上がり
焼いている間にできる科学的に美味しいハンバーグソースのレシピ
バルサミコ酢の酸味を加熱して飛ばすことで、旨味と甘みが残った最強のソースができる。
材料
- バルサミコ酢 25g
- 塩 0.1g
- 無塩バター 5g
- バルサミコ酢をフライパンに入れ強火で加熱。フライパンからおろしても泡がブクブクと出る状態まで加熱する。
- フライパンからおろして、バルサミコ酢の量に対して0.8%の塩で味付け
- バターを入れ溶かす(一気に混ぜると分離してしまうので少しずつ溶かす)
実際に作って食べてみたまとめ
とにかく弾力があります。
噛めば噛むほど口の中で肉汁が出てくるような感じで美味しい。
今まで食べてきたハンバーグの常識では測れないような、肉料理だと感じました。
ぜひ、作ってみて下さい。意外と簡単にできますよ。